「デザインで明るいビジョンを創造する」提案型デザイナー。

プロダクト＆グラフィックデザインを通じてクライアントのニーズに応えるとともに、新たな価値もプラスする。基本を大切に、シンプルでトレンドに流されることのないロングライフデザインが信条。
家具や家電、防災関連商品、景観製品、日用品、家庭雑貨、照明といった幅広い分野の製品から、ロゴマークやショップツール、パッケージ、印刷物、店舗など、平面から立体まで様々なデザインを手掛け、豊富な実績を持つ。蓄積した知識と技術、ノウハウに基づくプラスαの提案で商品に力を与え、息の長い魅力を生み出している。

プロダクトデザイン ￤ ロングライフデザインに力

プロダクトデザインは、見た目のよさだけでなく、使いやすさとともに、実際に量産でき、売れて初めて価値を認められる。そんな厳しい世界で30年以上に渡って腕を振るってきた高橋さん。「作家的でもなく工作的でもない、ちょうどいいところを狙ったものづくりを実践している」とした上で、「ひと手間で印象も使い勝手もグッと上がる」と細部にまで入念にデザインを施して商品力に磨きをかける。提案にあたっては、可能なモノは実物がイメージできるサンプルを試作してわかりやすくするとともに、「長く使える商品を心がける」。「ベーシックなものは、どうして初動（売れ行きが）が悪くて…」と苦笑するものの、20年以上前に手掛けた製品が今も家具・日用品の大手企業で販売されている事実が優れたデザイン力の証左でもある。

グラフィック ￤ ブランディングにもつながるアイデア

ロゴマークや商品パッケージをはじめ、ポスター、パンフレット、名刺など、グラフィックデザインの引き出しも多い。飲食店やアパレルをはじめ、不動産や製造業、医療系など業種を問わず幅広く対応する。ロゴデザインは業種がわかるような工夫を施すとともに、企業のビジョンやコンセプトにも通ずるよう考案。デザイン案は方向性が違う複数を出し、「多いときは10案近くになることもある」というアイデアの宝庫。夫人もデザイナーで温かみのあるデザインを得意としているため、硬軟織り交ぜて提案してくれるのも魅力だ。プロダクトとパッケージをワンストップでデザインできるのも強みの一つ。製品の魅力を十分に把握して制作する効果的なグラフィックデザインはクライアントに大きな安心をもたらしている。

仕事小屋 ￤ アートベースのようなオフィスをオープン

2020年11月に自身でデザインした仕事小屋を建設し、府中市に移転した。波板スレートと木材を組み合わせたアートベースを思わせる外観など、プロダクトデザイナーの面目躍如だ。通りすがりの人が立ち止まり、「何のお店かな？」とのぞき込むこともあるという。企業やショップなど、デザイナーを必要としていても、つながりがなく、どこに相談に行けばいいかわからないというケースも多い。高橋さんは、「気軽に相談に寄ってもらえるよう場所にしたい」と話し、屋内の来客スペースはカフェのような和む雰囲気に仕上げている。今後は、オリジナルプロダクトや雑貨の展示販売なども展開していく予定。

備後デザインサロン ￤ 挑戦するものづくりを楽しむ

ものづくりを手掛ける企業が多い備後地方で、メーカーとデザイナーが共に学び、新しいモノを生み出すきっかけの場を提供している「備後デザインサロン」。高橋さんは2010年の立ち上げから関わり、活動している。それぞれが課題を持ち寄り、セミナーやイベントなどを通じて共に解決に向かう方法を探っていく。開発した製品を実際に販売してみる「テイストマーケット」という取り組みもある。ユーザーと交流しながら製品をブラッシュアップするとともに、新たな商品開発のヒントなどを得ている。オープンな組織で、現場見学会などのイベントを開催し、ものづくりの裾野を広げる活動にも力を注いでいる。